Q&A

所法律事務所で取り扱った事例を元に、よくあるご質問にお答えします。

刑事・少年事件のQ & A
(身柄拘束期間について)
夫が逮捕されました。今後、どれくらいの間身柄を拘束されるのか教えてください。

警察官が逮捕をする場合を前提にお答えします。警察官が被疑者を逮捕した場合、原則として逮捕から48時間以内に、被疑者を釈放するか、事件を検察官に送致するかを判断しなければなりません。検察官に送致した場合は、検察官は24時間以内、かつ逮捕時から72時間以内に勾留請求をしない限り、被疑者を釈放しなければなりません。
勾留が認められた場合、その期間は10日間ですが、やむを得ない場合は、検察官の請求により裁判官が更に10日間以内の延長を認めることもあります。現実には多くの事案で延長が認められています。
検察官は勾留期間が満了する前に、被疑者を起訴するか否か判断することとなります。被疑者を起訴する場合は、勾留がその後も継続することが多いです。起訴後に勾留が為されないこともありますし、保釈請求が認められて身柄拘束を解かれることもあります。
覚せい剤の自己使用事案(初犯)の自白事件の場合を例に考えると、逮捕・勾留の後、起訴後も身柄拘束が続く場合がほとんどです。その後、1回で裁判が結審し、2回目に判決となり、執行猶予付き判決が言い渡され身柄拘束を解かれるということが多いです。起訴から判決まで概ね1か月半〜2か月くらいかかります。

(弁護人選任権について)
逮捕された夫のために弁護人を選任することはできますか。また、お金がない場合でも弁護士に依頼することはできるのでしょうか。

被告人または被疑者はいつでも弁護人を選任することができます。これらの方の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹も独立して弁護人を選任することができます。
また、被告人や被疑者が、貧困その他の事由により弁護人を選任できないときは、裁判所はその請求により弁護人を付さなければならないとされています。ですので、お金がない人でも国費で弁護人を選任してもらうことが可能です。ただし、被疑者段階の国選弁護人は、「死刑又は無期若しくは長期三年を超える懲役若しくは禁錮に当たる事件」に限定されています。
被疑者国選の対象とならない事件については、日本弁護士連合会が行う委託援助事業により、弁護士費用の援助を受けることができます。援助制度を利用することで、利用する方にとっては国選弁護と同様に金銭的負担なく弁護活動を依頼することができます。
また、当番弁護士制度といって、身柄拘束中の被疑者に弁護士が無料で会いに行き、法的なアドバイスなどを行う制度があります。その弁護士が引き続き、弁護人として受任することもあります。
なお、特定の弁護士に私選で依頼することも当然できます。その場合の費用は、担当する弁護士との直接の契約によって決めることになります。

(弁護人の活動について)
弁護士を依頼した場合、どのような活動をしてもらえるのでしょうか。

事案にもよりますが、以下のような活動が考えられます。

(1)捜査段階    
誤った調書が作られないようにするための助言、活動
身柄の解放に向けた活動(勾留や勾留延長に対する準抗告、保釈請求の準備など)

有利な証拠の収集に向けた活動
起訴させないための活動

(2)起訴後
記録の精査、被告人に有利な証拠の収集、証人との打ち合わせなど
身柄の解放に向けた活動(保釈請求など)
被害者対応(被害弁償など)
公判に向けた準備
公判における弁護活動

(3)全体を通して
被疑者・被告人、家族の精神的フォロー
裁判に向けたアドバイス
その他もろもろ

(保釈について)
保釈について教えてください。

勾留されている被告人又はその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹は、保釈の請求をすることができるとされています。
保釈には必要的保釈と裁量保釈があります。必要的保釈とは、保釈の請求があったときは、次の場合を除いては、これを許さなければならないというものです。


1 被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したものであるとき。
2 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
3 被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
4 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
5 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又は
  これらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
6 被告人の氏名又は住居が分からないとき。


第1回公判期日前の保釈請求の場合、抽象的な罪証隠滅のおそれを理由に保釈が認められないことが多いのが現実です。
裁判所は、必要的保釈が認められない場合でも、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができます(裁量保釈)。
保釈請求の際には、身元引受人が必要ですし、保釈金が必要となります。保釈金は被告人の財産状況によっても変わりますが、一般的には200万円前後におさまることが多いです。なお、保釈金を直ちに用意するのが困難な場合は、全国弁護士協同組合連合会の保釈保証書発行事業を検討してみてもよいでしょう。
→ http://www.zenbenkyo.or.jp/service/hosyakuhosyou.html

(執行猶予について)
執行猶予とはどういうものか教えてください。

刑の執行を猶予するというもので、無事に執行猶予期間を経過すれば刑の言い渡しは効力を失います。たとえば、懲役1年6月・執行猶予3年となった場合、刑務所に行かずに社会に戻ることができます。執行猶予を取り消されることなく執行猶予期間を経過した場合は、この罪によって懲役刑にいくことはありません。
執行猶予は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言い渡しをするときに付けることができます。よって、強盗致傷や殺人といった事案(もともと法定刑の下限が3年より重い罪)の場合は、刑の減軽が認められないと絶対に執行猶予は認められません。軽微な罪で、前科等もない場合は、執行猶予がつくことが多いです。
前の刑の執行を終わってから5年経過していない場合や、保護観察付執行猶予の期間中は、執行猶予をつけることができません。また、これらに該当しない場合でも、前科がある場合や執行猶予期間中の再犯については、厳しく判断されることになります。
執行猶予期間中に一定の事由(新たな罪を犯すなど)がある場合は、執行猶予を取り消されることがあります(必要的取消事由と裁量的取消事由があります)。

(少年事件について)
少年が逮捕された場合は、どのような流れになりますか?

一般的な少年の身柄事件の流れを説明します。
少年が逮捕された場合、捜査段階は概ね成人と似たような流れをたどります。しかし、少年の場合は、鑑別所で行う勾留に代わる観護措置という制度があること、勾留場所を鑑別所にすることができること、少年の勾留については「やむを得ない場合」でなければ認められないなどの違いがあります。
捜査終了後は、成人のように起訴されるのではなく、家庭裁判所に送致されます。全件送致主義といって、非行を犯した少年については全件家庭裁判所に送致しなければならないとされています。そのため、成人のように警察段階や検察段階で終わるということはあまりありません。
家庭裁判所に送致された後、少年について観護措置をとるか否かという判断がされます。観護措置とは少年鑑別所において心身の鑑別を行うというもので、原則2週間ですが、ほとんどの事案で更に2週間の延長が為されます(事実関係に争いがあるような事案では観護措置の期間が最大8週間になることもあります)。通常、観護措置期間が満了する前に、少年審判が行われます。

(少年審判で言い渡される処分について)
少年審判で言い渡される処分にはどのようなものがありますか?

不処分、保護処分(保護観察、児童自立支援施設又は児童養護施設送致、少年院送致)、検察官送致、知事又は児童相談所長送致などがあります。
保護処分について簡単に説明します。
保護観察とは、遵守事項を守りながら社会内で生活をし、定期的に保護観察所(保護司)に生活状況を報告するというものです。原則20歳まで続きます。
児童自立支援施設又は児童養護施設送致はその名の通りですが、後者の例は非常に少ないです。また、児童自立支援施設は事実上中学卒業までしか入ることができず、審判言い渡し時点で卒業まである程度期間がないと入ることができないのが現状です。
少年院送致は少年院に送致するというもので、長期処遇はおおむね1年、短期処遇はおおむね半年です。収容期間4か月以内の特修短期処遇というものもあります。
検察官送致(逆送)は、事案の重大性を理由とするものと年齢超過を理由とするものがあります。16歳以上の少年が故意の犯罪行為により被害者を死亡させた場合は、原則として逆送するものとされています。

(弁護士への依頼について)
少年事件でも弁護士を頼むことはできますか?

少年事件でも弁護士を頼むことはできます。捜査段階では弁護人と呼びますが、家裁送致後は付添人と呼びます。
逮捕・勾留されている場合は、成人と同じように被疑者国選の対象事件であれば国選弁護人を頼むことができます。被疑者国選の対象事件でなくても、日弁連の委託援助事業を使うことで、金銭的負担なく弁護人を依頼することができます。
家裁送致後においても、国選付添人制度の対象であれば、裁判所が国選付添人を選任することができます。これは、本人の請求ではなく、裁判所が裁量で選任するものですが、対象事件であれば、ほとんどの場合、国選付添人が選任されています。国選付添人制度の対象事件でない場合でも、日弁連の委託援助事業を使うことで、金銭的負担なく付添人を頼むことができます。なお、全国の弁護士会において、家裁送致後、観護措置をとられた少年に対し無料で弁護士を派遣する当番付添人制度を実施しています。
なお、特定の弁護士に私選で依頼することも当然できます。その場合の費用は、担当する弁護士との直接の契約によって決めることになります。

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